うえきちバス講座
F ライン


「ライン」とは「釣り糸」のことです。
バス用のラインは重さの単位であるポンドテスト表示(記号 「lb」)が一般的です。つまり10lbラインは10ポンドの重さのものを持ち上げることができるということです。(1ポンド≒453.6g)
ラインの素材には「ナイロン」「フロロカーボン」「PE」などがあります。それぞれのラインは特性が異なり一長一短があります。条件に応じたラインの選択が必要となります。


ラインに求められている条件は?

@「細くて丈夫」
細いラインの利点は抵抗が少ないことです。つまり空中ではルアーの飛距離、水中ではアクションや感度が良くなります。しかし、細いと強度が落ちることが問題なのです。

A「耐久性」
ラインは使えば使うほどにヘタってきます。それに吸水や紫外線による劣化も起こります。肝心なところでラインブレイク(ラインが切れること)では困りますし、頻繁な巻き変えでは金銭的にも困ります。

B「しなやかさ」
硬いラインは張りがある為、スプール(糸巻)への馴染みが悪くなります。ラインは太くなるほど硬くなり、扱いにくくなります。 特にキャスティングの際にその影響が表れます。しなやかさは「扱いやすさ」なのです。

C「感度」
水中の状況はラインを通じて手元に伝わってきます。いろんな情報を教えてくれるセンサーの役割を果たしています。魚のアタリもラインからの情報であります。しかし、ラインにはいくらかの「伸び」があり、それはセンサーとしての感度に影響を与えます。「伸び」に情報が吸収される訳です。
「ラインの感度が良い」ということは、伸びが少ないということなのです。そうなれば情報はよりダイレクトで正確なものになるのです。



【 ナイロンライン 】

安価でオールマイティに使用できます。軽くてしなやかなので扱いやすさがあります。しかし、約10%程の伸びが生じるといわれています。ラインに伸びがあるということは、感度が悪いということです。それはラインが長く出ているほどアタリが分かりにくいということにもなります。
それと、吸水や紫外線による劣化によって、ラインの強度が落ちやすくなります。






【 フロロカーボンライン 】

もともと海釣り用のハリスとして一般的なラインでした。
素材自体が硬く張りがあり、伸びが少ないので感度が良いです。重いので沈みも速くなります。吸水率が小さいので強度を保ちやすく、根ズレにも強いです。それと、屈折率が水に近いので、水中でラインが見えにくいといった特徴もあります。しかし、ラインが硬い為に扱いにくさがあります。(太いものでは特に)細めのものでの使用が一般的です。
ナイロンよりも値段が高くなります。




【 PEライン 】

ダイニーマやテクミロンという商標の超高密度ポリエチレンのフィラメントをより合わせたもので、ブレイドラインとも呼ばれています。PEラインはナイロンの4倍の強度といわれています。その強度を生かして細いラインを使用することができます。写真のPEは「24lb、直径 0.20mm」です。ナイロンのこの太さ(0.20mm)では6lbクラスになると思います。。
ほとんど伸びがないので感度が非常に良く、しなやかで水よりも軽いのが特徴です。吸水や紫外線による劣化もほとんどありません。
しかし、PEラインは不透明であることと、値段が高いのが問題となります。



【 ラインの比重と吸水率 】
ナイロン フロロ PE
比重 1.14 1.78 0.97
吸水率 1.8 % 0.04 % ほとんど0






最近ではメーカー独自の新素材などもいろいろ発売されています。以前に比べラインの性能は確実に向上していると思います。しかし、先に述べております「ラインに求められている条件」というものを全て満たしているものはありません。それぞれの特性を生かし、条件に合った使い分けが必要であります。

フロロは、ライトリグ(軽い仕掛け)は4lb〜6lb、ディープ(深場)は10lbで使用しています。しかし、同じ4lbであっても、フロロはナイロンに比べラインが太くなってしまいます。それと、ライトリグではラインはそれほど長く出ませんので、感度の違いもそれほどのものではないと思います。現在はディープでの使用のみとなり、ライトリグはナイロンに戻し、6〜8lbで使用しています。(「値段が高い」って理由もありますけど...。) f(^_^)

たまに、ボトムアタック(ボトム=水底)にPEラインを使用します。PEラインの感度は本当に凄いです。「棒で底を突っつく」くらいに底の状況が分かります。(ちょっと大げさですけど)
「ガイドへの摩擦抵抗が大きいので飛距離が出ない。」って聞いたことがありますけど、そんなことないですよ。確かに摩擦抵抗は大きくなりますが、ラインが細いので空気抵抗が減少したおかげで、結果的には飛距離は伸びます。対岸の岸際をねらったつもりが「飛びすぎて上陸」...なんてこともあります。 あっ、それと根がかった場合はその強度を生かし、フックを曲げてルアーを回収できます。(^o^)

私の用いるラインの多くはナイロンラインですが、選択の基準は太さにあります。メーカーやブランドによって、同じポンド表示でもラインの太さはそれぞれ異なっているからです。以前より長らく「VARIVAS」を愛用しておりますが、例えば「VARIVAS super soft」の16lbは直径 0.34mmですが、「VARIVAS game」では0.32mmとなります。つまり「VARIVAS game」の方が細くて丈夫ということになります。(数字の上では)


魚がかかった後、釣り上げるまでの間で一番恐れていることは、ラインブレイク(ラインが切れること)であります。ルアーが口に引っかかったままではバスの命を奪うことにつながるからです。(ワームなどはフックごと飲み込んでしまう事も)それと、根ががりなどは自然破壊にもなります。
私も最近になってですが、できるだけ太いラインを使用しています。(スビニングは8lb、ベイトは14lb以上)感度の低下や扱いにくさはありますが、気持ちにゆとりができます。...っということで、余裕のあるラインセレクト(太いライン)をお勧めいたします。